不動産の登記簿のコンピューター化

不動産登記簿や各種図面(公図、地積測量図、建物図面等)は、誰でも閲覧したり写しの交付を受けることができます。実務現場的には、登記簿を見ることを「閲覧」、登記簿の写しのことを「謄本」と呼んでいます。しかしながら、平成16年の不動産登記法の大改正によりオンライン手続きが導入されたことで、それまで慣用的に使われていた用語に微妙にニュアンスの変化が見られるようになってきています。登記事務のコンピューター化は、段階的に進められています。各段階に分けて詳しく説明をすると以下のようになります。
第1段階では、登記事務処理である登記内容の記録方法について行われ、現段階でも体部分の法務局内で作業が終了しています。これにより、それまでは書面になっていた登記情報が磁気ディスクによる記録となっており、紙に書かれた登記簿は使用されていません。
第2段階では、平成17年3月の新法施行によって、登記の申請手続きに関して行われるインターネットによるオンライン申請手続きができるようになっています。これは従来の書面式の登記手続きと並行して行われていますが、登記申請手続き自体が大きく変更されています。
第3段階では図面情報もコンピューター化されます。第1段階で行われたのは文字情報をテキストデータとして扱うだけのものなので、その処理可能な対象は登記簿だけであり、図面は対象外とされていました。しかし現在地図情報のコンピューター化は急激に進められています。